Hearbvest

人里離れた場所で
自然の生態を大切にして
抗生物質を使わず
3～4年かけて養殖。

　精がつく食材として知られ、料亭や専門店で楽しむことが多いすっぽん。愛媛県宇和島市津島町の「水幸苑」は、すっぽんの養殖から加工までを一貫して行い、家庭で手軽にすっぽん料理が味わえる商品を手がけています。
　「健康に育てたものを届けたい」との思いから、薬品や抗生物質を使用せず、自然の生態を考慮した育て方をしています。養殖池は、農薬飛散の影響を受けにくく、きれいな水に恵まれた人里離れた場所に設けています。池の洗浄にも薬品を使わず、3カ月ほど天日干しをします。
　ストレスを与えないように飼育密度を低く保ち、餌は配合飼料に地元で獲れた小魚や杜仲茶、高麗人参を混ぜ合わせたものを与えています。冬眠をさせる方法を採っているため、出荷に適した大きさになるまでに、温室養殖より1年半～2年半ほど長くかかります。こうした手間を惜しまない飼育により、健康で食味の良いすっぽんが育ちます。

弾力のある肉からにじむ
独特の風味とコク。
コラーゲンを含む
希少部位も味わえる。

　3～4年かけてじっくり成長させたすっぽんは、出荷前にしっかり泥抜きを行い、丁寧に加工されるため、泥臭さや生臭さが抑えられています。ほど良く身がしまった肉は、口に含むとプリッとした弾力があり、香草のような香りを感じる独特の風味と、鶏肉と白身魚を合わせたような淡白ながらコクのある味わいが広がります。
　「すっぽん鍋（とっぽ鍋）」は、軽く湯通しした精肉と鍋だし用の関東風辛口たれのセットです。精肉には、コラーゲンを含む「エンペラ」や肝臓も入っています。いずれも、珍味とされる希少な部位で、健康維持に役立つ栄養成分を含んでいます。湯通ししているので、煮込む時間が短く、あくを取る手間が少なくて済みます。
　すっぽんから出てくる旨みと栄養が溶け込んだスープは、しめの雑炊や麺で最後まで堪能してください。